商店街の精肉店からスタートし、現在に至りました。数年前であればスタッフの知識や勘に頼った業務の進め方で成り立ちますが、取引高が年々増加するようになると、いままでの記憶による仕事のやり方では限界を感じ、熟練に頼らない仕組みを構築することで業務の円滑化、無駄の排除をシステム導入の目的としました。

当社はカフェ業態を中心に業務を拡大していきましたが、最近ではラーメン、小売店、居酒屋等多業態に顧客を開拓していきました。それに伴い取り扱う商品の点数も増加し、物流手段も得意先指定物流方法や、小ロットで高額であれば宅配便を配送手段として選択したりするなど、ニーズが多様化したこともシステム導入を加速した背景となっています。さらにパン、肉を扱う2つの異なる工場の業務運用をこの機会に融合させたいと考えていました。

導入するにあたり最も重要視したことが物流の正常運用稼動でしたので、いくつかのシステムベンダーから物流システムに強いシーネットのソリューションを選択しました。

システムに対する改善要求が導入3ヶ月後から出始めました。
これはシステムの利用が浸透し始めたということです。
その結果、従来のエクセルに打ち込んだり、紙に出力したり、ファイルに保存したり、そのファイルを他の担当者に引き渡したりする個人個人による仕事のやり方から、標準化したシステムへのデータ入力、出力に変わり、細かい仕事単位で簡素化が図れたので、その積み重ねにより1日でみると数時間の効率化に繋がるようになりました。また、導入後1年経過するとそれ以上に重要な効果を感じ始めました。それは売上を確保するための余力が生まれたことです。

業務を標準化することで業務のゆとりを持った運営へとシフトし、例えば、仮に5％程度の売上増であれば全く問題なく業務を行えるように自然となっていました。システム導入前は売上増加に伴い事務量も煩雑化していたので、ある時点で明らかに対応ができなくなっていました。

個々の業務の効果でいうと、例えば肉のブロック別に得意先様から受注が入るのですが、ある得意先はホールブロック、ある得意先はハーフブロックカットといったニーズで販売を行わなければなりません。ホールの場合は仕入販売品なので在庫から引き当てますが、ハーフカットの場合は受注が入って加工を行うので物流上は無在庫のＴＣ品扱いとなります。その際、製造部門向けに製造指示書が発行される仕組みになっていますが、ご注文を受けた担当者は、こうした仕事の流れを全く意識することなく受注入力ができるのです。マスタの整備さえできていれば仕事の手順を自動的につくることができるようになりました。また、『マスタメンテナンスで苦労して日常業務で楽にいこう』というスローガンをシステム導入中にかかげたことも改善効果理由のひとつです。

さらに新規のビジネスを獲得したときに、システム導入前は数少ない機能の選択肢でしたが、今回のシステムは数ある中で最適な運用方法の選択が可能になりました。すなわちマスタメンテナンスによってシステムの動きを変えることが可能なので新規取引にも柔軟に対応できるようになりました。

今後仕入に関しては新たな在庫方式を導入します。当初から販売業務から仕組みをつくり、その後仕入業務の仕組みを再構築するようにしていましたが、既存の業務をスムーズにこなすという考え方から、あたらしい仕組みを入れてあたらしいビジネスを行う考え方へとシフトします。そのひとつが在庫管理の改善です。
また製造業でありながら直営店を数店舗展開しているので、近々発注システムを直営店に展開していきたいと考えています。

現在はFAXで各メーカーに発注しており、担当者は考えながら発注を行っていかなければなりません。システムを導入すると正確なマスタメンテナンスによって、発注者は全く意識することなく各メーカーに発注することが可能となります。さらなる店舗の増加でチェーン化していけば、本部一括管理が必要となるので本部機能の強化が今後の課題です。