導入事例紹介

スモールスタートでDX早期実現! WMSを軸としたシステム構築で、月460時間削減と70万円のコストダウンに成功。新たな売上げも創出 株式会社KITSライン

株式会社 KITS ライン・佐賀県庁・佐賀県産業スマート化センターの皆様

導入サービス

会社概要

社名 株式会社 KITSライン(鏡運送グループ)
本社所在地 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町石動2534-1
設立年 2007年1月
従業員数 70名(2022年03月現在)
事業内容 一般貨物運送事業・貨物取扱事業
主要取扱製品 食品

【概要】
KITSラインは、佐賀県にある、広域低温及び3温度帯輸送と低温倉庫を保有する物流企業です。「安全、安心、誠実」をモットーに、食品・生鮮食品輸送事業、外食チェーン店舗や量販店輸送事業を行い、荷主様にトータル物流サービスを提供しています。

同社では、かねてよりレガシーシステムからの脱却が課題でしたが、2021年に、佐賀県が実施している『DXフラッグシップモデル創出事業補助金』の採択事業者に選定されたことから、WMSをはじめとするシステムの大刷新に着手。佐賀県庁・佐賀県産業スマート化センター佐賀大学経済学部羽石研究室が協力し、「産学官」一体となってDXを推進しました。

WMSの導入は、DX推進の一環として行われており、今回導入にまつわるお話を詳しくお伺いいたしました。

導入の経緯

脱!レガシーシステム、補助金を活用して、DX実現を目指す!

Q:WMSを導入しようと思ったのはなぜでしょうか?
弊社では、業務拡大により顧客ニーズも多様化していましたが、20年前のレガシーシステムを利用しており、業務にシステムが合わなくなってきていました。

新しい機能が簡単に追加できればよいのですが、少し変更しようとするとその都度費用がかかってしまうので、以前からリプレイスを検討していました。
また、クライアントサーバ系でWin7ベースだったため、SQL含めてアップデートしていかないといけない差し迫った状況下でした。
根本的に変えるには多額の費用がかかるので、どうしようか悩んでいたところ、チラシで補助金のこと知って、佐賀県産業スマート化センターに相談しながら申請を進めました。
結果、めでたく佐賀県の『DXフラッグシップモデル創出事業補助金』の事業者に採用され、全部のシステムの変更を行うことを決めました。

DXを通じ、作業の生産性の向上・平準化を行い、荷主様の要望に応えられる体制作ること。社内的には、従業員の負担や不安を減らすことや、若い人たちに興味を持ってもらえるような取り組みをして人材を確保していきたいというのが、今回のプロジェクトの目標です。

Q:これまではどのように作業し、どのような課題がありましたか?
これまでは、20年前に作った在庫管理システムを使って、紙ベースで仕分け等していましたので、ミスの心配や作業時間の問題がありました。

即時入庫即時出荷といって、予定機能がなく、基本的にはデータを入れたらすぐに在庫から落ちる仕組みです。
入庫の部分では、お客様からきたFAXで送られてくる入庫予定で検品を行っていましたが、帳票がバラバラで賞味期限などの入力間違いが多くありました。

一部、ロットごとに商品コードを変えないと管理できないものもあり、入庫ナンバーがつけられない、マスタが膨大になっているという問題もありました。

ロケーション管理は以前からできていましたが、変更の際は手書きで対応していたので、ハンディでその場でできるようになったのは助かっています。

WMSをハブとしたシステムを構築。
オペレーションを損なわずWMSのパフォーマンスが最大限に出るように工夫!

Q:今回はどのようなシステムを構築しましたか?
シーネットのci.Himalayas/R2を軸に、いくつかのシステムを連動させています。
通販管理システムと自動倉庫、帳票等をコンバートかけるシステム、お客様のWEBといった、大きく4つのシステムがあり、自動倉庫以外は今連携ができています。

WMS全体図
【WMS全体図】

通販管理システムでは、1日100~400枚送られてくるFAXの入力を、専用システムを作って簡素化し、半日かかる作業を2時間でできる仕組みを作りました。
それに対して、ci.Himalayas/R2の通販管理機能を使い、連動して大手の宅配便伝票発行システムで伝票を発行。伝票の順番とピッキングされる順番を同じにすることにより、生産性をアップ、業務効率化を図りました。グロスピッキングしてきた順番で、伝票を貼っていけばよい流れといえば、わかりやすいでしょうか。

次に、連携システムは、入庫予定や在庫報告などは、メールでお客様に送っているものもあるので、RPAを組んで連携システムを経由することによって、受払メールがお客様に配信されるようにしました。
また音声システムにもデータが流れるようにRPAを汲み、ルーティン作業はRPAで行いデータを管理するだけの仕組みを作り、属人化の防止を狙いました。

オペレーションで操作性が若干下がる部分は、RPAを作り、オペレーションを損なわないように、WMSのパフォーマンスが最大限に出るように工夫したというのが一つの特徴です。

構築の流れとしては、ハブとなるWMSを他のシステムに先駆け導入し、運用に合わせて必要な機能を第2フェーズでリリースすることにより、早期の基盤づくりと今後のシステム連携の道筋を示しました。

シーネットを選んだ理由

21荷主同時稼働と短期導入が必須!
機能・納期・価格・将来性の全部を評価。

Q:シーネットを選定した決め手を教えてください。
システムベンダーの選定にあたっては、5社比較をしました。
コンペをしている時間はありませんでしたので、気になる会社に資料請求をして、『機能・納期・価格・将来性』の全部を評価して決めましたが、シーネットが特に良いと感じた点は以下の3つです。

①WMSの基本機能が優れている
シーネットのWMSは、基本機能が充実しており、弊社の業務にすぐにマッチしそうだと、初回の説明で興味を持ちました。
具体的には、『WMSの一般的な基本機能にちゃんと対応している事』『21荷主に対応できること』『インポートエクスポートの機能性』と『荷主ベンダーによる在庫の制御』『ハンディーターミナルの標準機能実装』という点を評価しました。

特に重要だったのは、21荷主同時に稼働できるかどうかです。
業務を止めるわけにもいきませんし、旧システムとの並行稼働もマンパワーがかかるため考えていない。さらに、荷主によって管理の手法など違うため、それをカバーできるのかどうかは細かく詰めていきました。
結果、シーネットのWMSなら、使い勝手もよく、今までのやっていた作業を同じようにできそうだと選定に至りました。

②短期導入ができること
また今回は、補助金を活用しての導入のため、期間が限られており、短納期は必須条件でした。
複数のシステムを刷新して連携する計画でしたが、基盤となるWMSは、真っ先に導入する必要があります。シーネットは、短期導入実績の事例も多かったので、他社の事例を参考にして、これならいけそうだなと感じました。

実際のスケジュールは、2021年5月に補助金事業者に選定され、6~7月は情報収集と社内検討、8月発注、10月WMS標準版導入、2022年2月に不定貫等のカスタマイズ追加…
と慌ただしいものでしたが、やってみれば案外うまくいきました。

納期の問題もあったため、2段階導入となりましたが、基本機能が優れているので、スモールスタートすることができました。パッケージの良さあってのことでしょうが、営業さんの真摯さやスピード感のおかげだと思っています。

③営業のスピード感と提案力
スケジュールタイト中で進めたので、シーネットの営業さんのレスポンスの速さは安心感がありました。
質問をするとすぐに連絡をくださいますし、「次の打ち合わせはいつにしますか?」と導いてくれるので話が進みやすいのです。良い意味で押しの強い営業さんで、頼もしく感じていました。
他社では、待っている時間がもったいないと感じるほど返信が遅いこともあったので、シーネットには良くしてもらったと思います。


Q:以前のベンダーでリプレイスは考えなかったのでしょうか?
リプレイスの話は出ていましたし、相談もしました。
しかし、もともと使っていたシステムは、基本要件がだいぶ少なく、標準のWMSにもっていくには多大な開発費用がかかってしまうのです。それであれば、標準機能が整っているWMSを導入したほうがいいよねという判断で、変更を視野にいれました。

また、弊社がどうしてもやりたかったのは、『便利端末』との連携です。
倉庫管理システムから指示がでて、現場では、ハンディーターミナルや外部システム会社から提供してもらう何かを動かすなど、いろんなパターンがありますが、WMSとの連携を最大限に重視したいと考えていました。
その部分の提案は、シーネットが長けている印象でした。

導入時の苦労

21荷主分の要件の洗い出しと初期マスタのセットアップ。
時間をかけて行うことで運用を確実に!

Q:導入において、苦労したことや不安だったことはありますか?
今回の導入の成功ポイントは、各工程、計画的に丁寧に行ったことだと思いますが、
特に、要件の洗い出しとマスタセットアップは、時間をかけてやらないと、その後の運用に響くのでしっかり行いました。

まず、システムの要件の洗い出しですが、21荷主あるので、まとめるのが大変でした。
具体的な運用ごとに「こういう動きで、何時くらいに指示がきて…」と調査に落とし込んでいきましたが、荷主ごとに時間もやり方も違います。いざ洗い出してみると、「どうだったかな?」ということが結構多く、各スタッフに聞いて回りながらまとめました。

そこから、社内選定のための資料作りをしました。
シーネットのci.Himalayas/R2に当てはまるどうかのチェックをするための資料で、「こういう要件がちゃんと満たされているよね」「ちゃんと動くよね」といったことを確認するために、業務の棚卸を1つ1つ行っていきました。
大前提として、業務整理が重要で、ここに時間をかけたからこそうまくいったと思います。

初期マスタのセットアップでは、21荷主、決まった期間内で登録をしないといけないのでバタバタしました。
流れは、既存のシステムから抜き出せるデータを抽出し、シーネットのレイアウトに合わせて作って送り、それをシーネットが登録するといった形です。
まず、ぴったりとレイアウトに合わせるのが大変で、合わせるためのデータを旧システムに探しにいく地道な作業を繰り返しました。

また、マスタの移行については、荷主ごとに管理体系が大きく3つのパターンがあり、プログラムを組んで、移行のマスタを作成しましたが、旧システムの制約上、商品が入庫されると、商品コードが増える仕様のため、切り替えの直前までマスタが増えていく状況下でした。

マスタセットアップでは、シーネットとやりとりを密に進めましたが、標準版で導入するポイントの1つであったのかと思います。


Q:今荷主の管理体系が3パターンあって、1パターンごとに分けてやっていくという選択肢はありませんでしたか?
ないです。ここが遅れると、他が全部遅れてしまいますし、並行稼働すると従業員のマンパワーがなくなるので一気に切り替えたいと思っていました。そこにチャレンジをしてうまく成功したのは良かったです。


Q:今回のシステムDX推進について、現場のスタッフからの声はいかがでしたか?
KITSラインの現場は、アットホームとよく言われるのですが、協力して進行できたと思います。今では17時18時にみんな帰っていますが、切り替え直後は大変で、そんな中よくやってくれたと感謝しています。

今回の取組みは、佐賀大学経済学部羽石研究室で調査されており、DX成功の要因として、社風やスタッフの意識レベルがあるとのことでした。
私たちリーダー層の熱い思いがスタッフにも伝わって、社員の意識レベルが改革。いい社風になっているとおっしゃっていただき、大変嬉しく思いました。

低温物流センター外観
【低温物流センター外観】

導入効果

DX推進成功!
月460時間の削減と70万のコストダウン、新たな売上げを創出!ミスがなくなり在庫精度が向上した

Q:WMSの導入効果についてはいかがでしょうか?
一言でいえば、まずはDXの第1歩を大きく踏み出せたと思っています。
これが成功なのか?といわれると、もっと長い目で見ていかないといけないのですが、導入直後から狙った通りの効果が出ています。

①DX推進成功!月70万コスト削減と新たな売上創出
WMS含めたシステムの刷新により、労働時間が460時間削減し、人件費のみで月70万円のコストダウンを実現しました。
他のシステムも入っての効果ですが、WMSがないとインポートアウトプットがなく他が生み出せないので、WMSあっての効果と言えるでしょう。

作業時間が短縮したことによって、前日の夕方にやっていた作業を当日の朝に切り替えることができました。これにより、日中から夜にやる仕事を増やすことができました。
また、別の売上というところでも、大きく効果が出ています。
例えば、荷主様の仕事が追加になったり、新しい仕事を受け入れる余裕ができたり、今後もうまく連携してやりたいといった打診もあり、『削減効果+別の売上効果』が出ています。

②HTの活用でミス軽減!在庫精度が向上
作業ミスは、ほぼ発生しなくなりました。
従来も、時間とお金をかけてチェックをしていたため、そこまでミスが多くはありませんでしたが、今はハンディでチェックできるようになり、時間がかからなくなりました。
以前はあった、商品名で探しに行ったけれど、あるはずのものがなかったというミスも今はありません。
在庫内部の精度向上という点では、100%。気持ち的には150%向上と言ってもよいと思っています。

基本作業をきちんとすれば、まずミスはおきませんが、個人の能力差や理解度に応じて、間違った作業でやってしまうことがあるので、そういうときにミスが出ています。
きちんとした仕組み、つまり、システムと現場の動きの構造を理解しているスタッフは、国籍年齢問わず、生産性も品質も高いです。応用で、どの仕事をさせても、なじんでいくのが早い。
逆を返すと、理解が足りないスタッフは、初動が遅く、結果的にミスを起こしてしまうということです。

であれば、私たちはスタッフへの教育体制を整えるべきなので、次の課題としています。

③属人化の防止
属人化防止は、事務作業において特に効果が出ています。
WMSと他のシステムとの連携部分に、RPAを組んだことにより、もともと事務員しかできなかったものを、外国人実習生でもできるようになりました。今は、ベトナムの方が、翌日のデータ帳票を全部出してくれています。画面は日本語ですが、毎日繰り返すやることなので問題なく対応できるようになりました。
また、社歴が浅いスタッフも、システム導入後は、比較的早く戦力化に繋がっています。


倉庫内の様子
【倉庫内の様子】

今後の展望

クラウド型サービスのメリットを活用し、さらなる効率化を目指す。
構想を1つ1つ形にすることで、本当のDX効果を追求!

Q:今後の展望とシーネットへの要望を教えてください。
将来の展開は、すでに構想ができているので形にするだけなのですが、これまで優先順を下げていたことに取組むこと、構想だけで実現にいたっていないことを1つ1つ形にしていくことで、さらなる効率化を目指したいと考えています。

まず、今回残した、WMSと自動倉庫システムとの連携です。
管理者が違うので若干コード体系が異なる問題があって、まだ連動が取れていません。
具体的には、WMSは、商品コードで管理しているが、自動倉庫の方は、ロットで管理しているとか…。社内規定がないがゆえ、アナログでそれぞれの管理者任せになっていたため、この対応をなんとかしたいと思っています。

そして、荷主様への詳細な説明やご提案です。
荷主様に、WEB上で在庫を見てもらったり、今までFAXでやり取りしていた入荷予定を直接見ていただいたり、クラウド型サービスのメリットを活用したいと思っています。
これができれば、我々の作業も減りますし、ペーパレスにも繋がります。
この部分をIT化するイメージは既にできていますので、第一段階第二段階とステップを踏みながら進めたいと思っています。

最後に、ci.Himalayas/R2でできることが、まだまだあると思っています。
既存業務の中で、もっとci.Himalayasを深堀りして活用すれば、さらに効率化できることがあると感じています。
通販の機能の部分、セット商品の在庫管理(出荷日管理)など、たくさんの機能があるのでもっと在庫管理が楽になる使い方のイメージが出来ています。

このように、構想していることを、1つ1つ形にしていくことで、DXの本来の効果が出てくると思っていますので、導入して終わりではなく、今後も改善を模索していく予定です。
今後もシーネットと相談をしながら、DX効果を追求していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

合同会社 KITS ライン トラック
【株式会社 KITS ライン トラック】

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